「2010年産米は北海道のものがいいよ」とお米屋さんが話していました。というのも本州は全般的に猛暑のせいで、味が落ちるというのです。また新潟で食品関連会社を経営している社長は「今年の米は全然ダメだ」と語っていました。そこでネット検索してみると、作況指数とは別に猛暑の影響に関するニュースがヒットしました。とりわけ新潟のお米は深刻で「背白粒と基部未熟粒によるものが多い」そうです。地域農政局別の一等米比率を見てみるとたしかに北陸は44.2%と低く、反対に北海道は90.4%ともっとも高くなっています。
そもそも一等米とは、それ以下のお米と比べて粒が揃っていること(整粒)、被害米・着色米が少ないことなど、目視による検査の結果導き出されるもので、直接味を比べているわけではありません。したがって等級は食味値には関係ない。また農協などのお米をブレンドして等級を調整するので等級を比べることは無意味という意見がある一方、産地による味の違い以上に一等・二等・三等・規格外・中米・クズ米という等級が重要という意見もあります。本当はどちらなのでしょう。
これまで北海道の「きらら」や「ななつぼし」というと、魚沼産など超一流ブランドはもちろん、秋田県産や山形県産よりもランクが落ちるイメージがあり、実際スーパーなどでの値段も一番手に入れやすい価格になっていました。おなじ一等米でも市場の評価は異なっていたのです。ところが今年は新潟県産のお米でも等級表示が「二等級以上」と書かれているものが増え、北海道産の「一等級米」と比較して味がどうなのか気になるところです。
そこで普段高級なお米とは縁のない私の感想ではあまり説得力がありませんが、とりあえず北海道産の「ななつぼし」を購入して食べてみました。価格は5kgで1,380円とかなり安いです。
個人的な感想ですが、平成22年産の新潟県産コシヒカリと比べるとややモッチリしていています。食べた感じ悪くはないのですが、ただ味が若干薄いような気がします。これは炊き方の問題でしょうか。いずれにしても思っていた以上に美味しく、値段を考えたらお得な感じがします。
そんなド素人の感想はともかく、気になるのは「今年は北海道産の米がいいらしい」という情報があまり流れていないという事実です。もし自分ならこの機に乗じて一等級米比率の高さを武器に売り込みをかけるでしょう。そして「きらら」「ななつぼし」の美味しい炊き方を告知したいところです。でも全農さんはそんなことをするつもりはまったくないのでしょう。残念です。